2019年1月12日土曜日

鉄の伸び(2019.1)

鉄は温度で伸びます。

1m当たり100℃差で1.18mm伸びる。

真夏、電車のレ-ルは60℃くらいに温度が上がる。

新幹線のレ-ルは長尺レ-ルで1.5kmの長さがある。

1.500m×(60℃/100)×1.18mm=

1,062mm伸びる。

この伸びをまくら木(コンクリ-ト製)で

抑(おさ)え込み伸びないようにしている。

結果レ-ル内部には100トンの圧縮応力が発生する。

100トンの圧縮応力を受けながら

新幹線が300kmで走れる。

レ-ルは炭素鋼でできている。

蒸気配管は鉄管で施工する。

スチ-ムハンマ-が起きないように先下がりで

配管しますが伸びにも気を付ける必要がある。

30m×(100℃/100)×1.18mm=

35.4mm伸びる。

この伸びは伸縮継手で吸収する。

30m程度の長さをワンスパンとし、配管します。

昔は地域暖房として蒸気配管を施工していましたが

3km程度の長さの配管に蒸気を通しての

配管調整は1人でやっていた。

弁を一度に開けると熱膨張で割れる、

少しずつ少しずつ開閉し熱に慣らして

スチ-ムハンマ-が起こらないように、

一日仕事でやっていました。

配管の伸びのカンカンカンカンという音を聞きながら、

失敗すれば事故る、下手すりゃ死ぬ、

今では考えられないほど過酷でした。

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