我々が普通に呼吸している空気には窒素が78%含まれている。
この窒素をある種の細菌が窒素を取り出し固定し、
アンモニアなどに変える。
変えたアンモニアを地球の大気が循環により雨と一緒に満遍(まんべん)なく降らし
植物の生育に欠かせない肥料となり、植物を動物が食い、
糞をし細菌が増殖しその細菌がまた窒素を生む。
地球のサイクルは自然とうまく回るように作られている。
第二次世界大戦で連合国はドイツへの硝石の輸出を禁止した。
当時、硝石から窒素を取り出し爆薬の原料や食料増産の窒素肥料を作り出していたからです。
しかしドイツの進撃は止まらなかった。
ドイツの化学者のハーバーが人為的に空中窒素固定法を開発したために
ドイツは硝石の輸入がなくても堪(こた)えなかったわけです。
戦後この方法は世界に広まり、
肥料を空中の窒素から作り出し現在の食料増産に寄与しているわけです。
いまの世界の人口を食わすにはこの空中窒素固定法が欠かせない。
ただ空中窒素固定法はひとつ問題がある。
高温高圧状態を作り出す必要がある。
当然ながら燃料は薪でもない、石炭でもない石油を使う。
世界の人が食えるのは窒素肥料であるが、その原資は石油と言うわけです。
言い換えると人間は石油を食って生きているわけです。
石油が無くなれば自然の堆肥や糞尿だけが頼りとなり、
自然循環ではおそらく10億人程度の人間しか食っていけなくなると思われる。
経済の浮き沈みは世界中であるから、
好調な国では人間は増えていくから石油の消費は増える一方である。
いまの若い人はあと2、30年の間に飢餓を経験するかもしれない。
食料ってこんなことなんよ、極めて不安定。
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