2012年9月20日木曜日

凹(2012.9)

凹、おうとつのおう。

力学的には凹部が滑らかでない、 
 
言葉を変えると急または角度がついている場合に、
 
繰り返し荷重を受けると破断する可能性が飛躍的に上がる。 
 
例として鉄の棒に少し切り目を入れて
 
繰り返し力を入れると折れる
 
ガラスにガラス切りで筋を入れ、
 
コンと叩(たた)くと2つに割れる。
 
これは材料に対する常識です。 
 
配管と配管を付き合わせて溶接するときに
 
溶接が盛り上がって沢山してあるのは強そうに見えますが、 
 
盛り上がりの山裾と配管の直線部分に
 
谷ができている場合が問題。
 
きれいに盛れた溶接部分を
 
サンダーで削っている職人を見つけたら黙って見てください。
 
谷を滑らかに削っている職人はこの辺りがわかっている。
 
ずいぶん前ですが【もんじゅ】の配管の
 
温度計の継ぎ手からナトリウムが漏れて問題になりましたが、
 
あれは温度計の入っていたサヤ管の形が二段になっていて、 
 
その谷の部分が滑らかではなかったために、
 
ナトリウムの流れのサヤ管の後ろ側に
 
渦(カルマン渦と言いますが)ができて
 
不定期に繰り返し荷重を受けたために破断した。 
 
こういうことが次世代に伝わる時間もなく、
 
次世代もちょっと覚えると独立する、
 
今の社会では継承不可能な技術であり、
 
事故は永遠に続いていく。
 
仕方がないな。

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