2012年11月3日土曜日

てりむくり(2012.11)

神社に行くと普通に見られる屋根の形

中央で凸形になっている部分を【むくり(起り)】と言い、

両脇でちょっと凹形になっている部分を【てり(照り)】または【そり(反り)】と言う。

ここの折り合いが、大工の腕の見せどころである。

【てり】がいつのまにか【むくり】になり、

またいつのまにか【そり】になる。

相反するものがひとつのものとなっていることから、

異なるものと折り合いをつける共存のシステムを 

【てりむくり】と言うが、

今の世界はこのあいまいな状態は受け入れないことが多い。

【中庸】【あいまい】【てりむくり】なんていう

微妙な感覚は伝わらない。 

【丁か半】【右か左】【白か黒】

はっきりしていいが、ギスギスした

片手落ちに終わることが多い。 

【てりむくり】が曲線なら 

【白か黒】は直線

味気ない、技術が無い。

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