昔を知っている者からすると今の生活は贅沢極まりない。
いくらでも食料がある、食べなくとも死なないスイーツまで。
スイッチを押せば風呂が焚け、ご飯が炊け、冷暖房が可能。
生活は楽だがエネルギーはふんだんにいる。
便利だけれど、生活を楽しむ、生活をしているという実感がない。
例えば風呂。
井戸水を汲んで風呂いっぱいにする。
最初の頃は釣瓶(つるべ)で、途中からはガチャガチャポンプで。
これは子供の仕事で、5円もらってお菓子を買いに行った。
途中からはお風呂を焚く作業も加わり、
いまでも焚き火は大好きです。
ご飯もカマドで炊いていた。
風呂焚き、洗い物の水汲み、ご飯炊き、玄関掃除、鶏の餌やりと卵取り、
この辺りが子供の仕事でけっこう面白かった記憶がある。
夜は電気が勿体(もったい)ないからと暗くなれば寝た。
朝は早い。
冬の暖は火鉢(ひばち)のみ。
燃料はご飯炊きの残りの真っ赤な木を
鉄製の容器に入れ作った【オキ】と言う炭。
生活しているという実感はあった。楽しかった。
今はご飯→仕事→ご飯→寝る→ご飯→
仕事→ご飯→寝る。
これの繰り返しだけだから潤(うるお)いがない、
だから毎日が面白くない。
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