閑(しずけさや)や岩にしみ入る蝉の声。
松尾芭蕉の句です。
⇒閑や岩に染み入る蝉の声。
夕されば野べの秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里
藤原俊成『千載集』の句です。
⇒夕されば野べの秋風身に入みて鶉鳴くなり深草の里
もう少し短く。
岩にしみ入る⇒岩に染み入る。
秋風身にしみて⇒秋風身に入みて。
おなじ【しみ】でも
【染み】と【入み】。
しみが物だと【染み】、しみが者だと【入み】。
主人公が従か主かで字が変わる。
日本語の繊細さがよくわかる言葉です。
閑(しずけさや)や岩にしみ入る蝉の声。
が、
閑(しずけさや)や身にしみ入る蝉の声。
であれば
閑や身に入み入る蝉の声。
となる。
身に入み入るでは6語だから句にならんやんか。
確かに。
我身に入み入るでどうやろう。
我身をわみと読む。
やっぱり
閑や岩にしみ入る蝉の声やな。
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